がSMという世界を始めて知ったのが14歳の時でした。

もちろんセックスの経験もなく殺伐としたイメージしかなかったのを覚えてます。

きっかけは当時行き着けだった美容院の仲良くしていた店長とふたりになった時に

『君はMだね』の一言でした。

意味もはっきりわからぬまま、ただ好奇心となぜそう思ったのかが知りたくていろいろ質問していくうちに

ぼんやりながらも、"深い世界(愛情)"を意識したように思います。

 

再婚の父には先妻の子がいて、父方の祖母は私とその子を差別してました。

私の目の前で先妻の子にはお菓子を与え、ほしがる私を外に出し鍵をかけるなどといったことは

日常茶飯事だったようです。

見兼ねた母は私を連れ、家を出たそうです。

子供ながらに『自分はいらない子なんだ。自分のせいで母が悲しい思いをした』と思ってきました。

"誰かと一緒にいたい・・・愛されたい・・・"

そういう気持ちが、境遇の似た彼には通じたのかも知れません。

彼は厳格な家庭の中で常に浮いた存在だったと言います。

家族のはみだしものとして、家にいることができず上京し

生きていくために技術職をと、美容師になったということでした。

安否を気づかう連絡も一切なく、身内の不幸のしらせさえも受ける事はなかったそうです。

やはり彼も"自分を必要としてくれる人"を探していたのだと思います。

16歳の年齢差のふたりでしたが、ごく自然に一緒にいられた気がしました。"好き"とは違う感覚で・・・

まだセックス経験のない私を気づかってか、それが彼なりの『調教』だったのか

セックスすることなく頭の中にSMを叩き込まれました。

その日から身体の関係ではない、ある種の『調教』がはじまりました。

 

調教という言葉は、個人的にはあまり好きな言葉ではありません。

私の中のSMとは単に愛情表現の手段のひとつにしか過ぎないと思っているからです。

愛しあっている二人の間にはキスしたり、身体に触れたりということはごく自然な行動で

それが私の場合がSMだったというだけ。

『この人なら・・・』と思える相手が喜ぶならなんでもできてしまう。それだけの事だと思ってます。

私はMということ(SM経験者)を恥じてはいません。むしろ、

"これほどまでに深い愛情表現ができる"と言えます。

だから私は『御主人様』など口にしたことは一度もありませんでした。

気持ちは十分に服従しています。しかし、あえて演出する必要もなかったせいだと思います。

主従関係といってもお互いにお互いの事を想い愛しむ気持ちがあれば、

自然に行動で表せるものだと思っています。

言葉にしなくても、そこにはしっかりとした主従関係と信頼関係ができあがっているものだと思います。

ただ喜ぶから、なんでもできるというものでもなく

そこには、お互いに対しての確固たる愛情が感じられる場合のみの話です。

 

愛情と言葉にしてしまうと、なんだか嘘臭いような安っぽいような・・・

そんな感じにもなりがちですよね。

でも、やっぱり一番適したことばではないでしょうか。

正直言うと、確固たる愛情なんて目で見えるものでもなく、確かめる手段なんてどこにもないのが事実。

なにを基準にするでもなく、それを確信できる事こそが、信頼であり愛情なのかもしれません。

そこまで辿り着くのは決して容易なことではありませんよね。

だからこそ、『この人』と一旦決めた相手に対しては半端な事はしたくない。

ある意味激しい性格の持ち主なのかもしれません。 

SMという世界を覗き込んでから2年。高校生になった年、5歳年上の彼と出会い初体験をしました。

高校生と社会人の交際は、彼の仕事の忙しさに阻まれ、終わりを迎えました。

その後、数人と身体の関係を持ちましたが、どれも寂しさを紛らわすだけのセックスでした。

そしていよいよ、その時がきた・・・そんな感じで、美容師の彼からの電話。

当然の流れの様に、どんどん奥へと足を踏み入れることになりました。

 

それから22歳になるまでの約5年、心の葛藤を繰り返しながら彼と共に過ごしました。

"恋人"でもない"愛人"とも違う"パートナー"?・・・説明のつかない関係に疲れたのは私の方でした。

恋愛はしなさい。でも、自分との関係は崩れない・・・そういう彼がわからなくなりました。

"私はM"そう認めたくない自分もいました。

そして、私は彼の元を去りました。

 

その後も数人との出合いと別れを繰り返し、本当の意味で"この人"と思える人と結婚しました。

真正面から向き合ってくれた・・・そんな気持ちでした。

主人はSではありません。(S性・M性があるなしは別)しかしセックスの不満はまったくありません。

ふたりの関係をもっと深いものにしたいと、私の過去を告白し

主人もそれを受け入れ理解しようと勤めてくれました。

正直、告白までには迷いもありましたが、私の想いの深さ・重さを伝えたかった。

単に性的嗜好だけではない、私のM性を受け入れ、

自らのS性を私にも見せようとしてくれるようになりました。

そして今、少しずつではあるけれど"確固たる愛情"を築いている最中です・・・・
 

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